ディクテーションとシャドーイングの方法と効果の違いを徹底解説

TOEIC対策

シャドーイングディクテーションって、どっちもやった方が良いと聞いたことがありますよね。

でもどっちをやった方が語学力向上に効果があるのでしょうか。

TOEICや英検の勉強でも効果があると言われるし、リスニングや英会話力を向上させるのにも効果があると良く耳にします。

どちらをやるにしても、やり方や効果を知っておくとより一層大きな効果が得られます。

まずはシャドーイングとディクテーションの効果や両者の違いを理解していきましょう。

シャドーイングとディクテーションとは

シャドーイング ディクテーション おすすめ どっち

そもそも、シャドーイングとディクテーションとはどのような勉強方法なのでしょうか。

それぞれ見て行きましょう。

シャドーイングとはどんな勉強方法?

シャドーイングとは元になる多言語の音声を聞きながら、それを同時に自分の声に出して追っていくというトレーニング方法です。

もともとは英語をはじめとする語学学習者の上級者や通訳者が取り入れているトレーニング方法です。

最近ではネイティブの会話やナレーション、スピーチなどを教材にトレーニングをする人が多く、リスニング力だけでなく、発音も含めた会話力が身に着きます

最近では、子供や初中級者でもYou tubeなどの動画で簡単にトライできるようになり、実際にやっている人も増えているそうです。

シャドーイングの効果とは

シャドーイングの効果はズバリ、リスニング力と会話力のアップです。

特に「英語がペラペラになりたい」と思う人なら、絶対にシャドーイングはやった方が良いと言われています。

言いたいことが文法や単語の意味を日本語で考えなくても口から出てくるようになるのですから、あなたの英語もよりネイティブに近い自然な表現になっているはずです。

シャドーイングの効果がある理由

ではなぜ、シャドーイングをすると英語会話力向上の効果が得られるのでしょうか。

その理由はシャドーイングでは、聞いた言葉を実際にあなたが話している様に瞬時にイメージし自分の言葉に変えて話す練習だからです。

しかも、イティブと同じようなイントネーションやスピード感をもってアウトプットしていくことで、表現力やスピード感も身につき、考えたことが口から自然なスピードで出てくるようになります。

もちろん、効果が出るまでにはそれなりのトレーニング時間は必要です。

言葉も口を動かすスポーツと考えれば、筋肉が思った通りに、気持ち通りにすらすら動くようになるまではそれなりの時間がかかります。

目安として、毎日トレーニングを続けていれば、日常会話程のレベルなら、一か月もしないうちに、徐々に口から英語が出てくると思います。

ディクテーションとはどんな勉強方法?

ディクテーションとは、元になる他言語の音声を聞きながら、それを一語一句紙に書き出していくというトレーニング方法です。

シャドーイングと同じく、音声を聞いてアウトプットするという点では同じですが、口頭ではなく、一語一句紙などに書き出していく作業ですので、リスニング力に加えてライティング力が養われます。

ディクテーションの効果

リスニング試験のあと、解答を見て

リスニングのスクリプトと訳を見たら、なんだ簡単じゃん!

リスニングテストの時は、何でわからなかったんだろう!?

と不思議に思ったことはありませんか。

もしこの時、

「自分が聞き取れなかった単語は何だろう?」

「どのように聞き間違いがお起こっているのか?」

をしっかり確認し、その答えを見つけていけば、必ず徐々にリスニングの聞き間違いや聞けない言葉は減っていきます。

つまり、ネイティブのリアルな発音と自分が想定している音のすり合わせを行っていくのです。

リスニングのみでも練習できますが、ディクテーションとして単語を一つ一つ書き出すことで、聞ける単語と聞けない単語がはっきり目に見えてわかりますので、効果は抜群にあります。

ディクテーションの効果とは、このような細かい表現まで言葉を聞き取れるようにして「英語の耳」を作ることなのです。

ディクテーション書き取りの効果

ディクテーションのもう一つの効果として、スペルミスが減るなどの効果や英文を書く能力の向上も期待できます。

英検2級以上になると英作文ありますので、ディクテーションの書き取りも英作文に大きな効果が期待できると思います。

シャドーイングとディクテーションの共通点と違いは何?

シャドーイングとディクテーションは音声で聞いたことをアウトプットするという点で共通しています。

しかし、いくつか違いがありますので見ていきましょう。

アウトプットの方法と目的の違い

まず、シャドーイングとディクテーションは、スクリプトや会話を聴くという点は同じですが、アウトプット方法の違うので効果や目的が異なります。

シャドーイングの目的は会話力

シャドーイングは聞いたことを同時に口で発音してアウトプットするので、文法を考えて話す時間が無く、聞いたことを文法や単語1つ1つの意味ではなく、イメージして話す力が身に付きます。

また、それを分単位で比較的長く行えるので、一度に様々な表現に触れ、会話力の向上につなげることができます。

つまり、「聴く」「話す」といった、会話力を総合的に向上させることができます。

ディクテーションの目的は英語の耳をつくること

ディクテーションの主な目的は、「知ってるけど聞き取れない」単語やフレーズを無くすことにあります。

聴いたことを一字一句書きだすため、苦手な単語やフレーズを特定して、「発音」や意味を一つ一つ細かく確認するため、いわゆる「流し聞き」では探せなかった自分の「聞き取れない単語」をなくすことができます。

このように、ディクテーションは「英語の耳」を作ることができます。

必要時間の共通点と違い

必要時間の共通点

1分間のスピーチと言っても、人によっては、スピードに慣れないため、全体の半分約30秒ずつや更にフレーズごとに分けて繰り返すことが多いと思います。

これは、シャドーイングもディクテーションも同じで、自分のレベルに合ったスピードや長さから始めるとスムーズに進められます。

必要時間の違い

シャドーイングの場合

シャドーイングの場合は、慣れてくれば、はじめは1分ごとに区切っていた時間を3分、5分と増やしていくことができます。上級者なれば、15分から30分続ける人もいるでしょう。

そしてそれを、1回ではなく、スクリプトや訳を見ずにできるまで行うのが基本です。時間もその人によって変わってきます。

ディクテーションの場合

しかし、ディクテーションの場合、聞きながら全てを書きだすという作業はとても簡単ではありません。

基本的には慣れている人でも、秒単位文章単位で区切って、集中してディクテーションを行います。

また、聞き取れない文章や表現部分だけを聴く方法も有効な為、文章や会話全体ではなく、一文ずつ区切り部分的に何回も繰り返し聞くする人も多いです。

なので、当然、一人ひとりのレベルやその時わからない単語やフレーズの量によって、総合的な時間も違うんですね。

シャドーイングは聞きたいスクリプトを何も見ないでアウトプットできるようになるまで、何回も繰り返し聞く。
ディクテーションは聞き取れない単語やフレーズ部分に絞って繰り返し聞き、その単語やフレーズを書きだせるようになるまで続ける
当然両者の時間は比べられないんですね。^^

シャドーイングとディクテーションおすすめはどっち

シャドーイング ディクテーション どっち おすすめ

英語がペラペラになりたいならシャドーイングとディクテーションはどちらがおすすめなのでしょうか。

これまでの説明で、わかると思うのですが、もう一度おさらいしておくと、シャドーイングとディクテーションはその効果と目的も違うので、そもそも比較するのではなく、両方やっていくことが、総合的な英語力アップに繋がります。

シャドーイングとディクテーションそれぞれのおすすめの場合を下にまとめました。

シャドーイングがおすすめの場合

シャドーイングは「英会話力アップをさせたい」「ネイティブのように話せるようになりたい」という人にオススメの勉強方法です。

ディクテーションと同じく、音声を聞きながらアウトプットしていく作業ですが、「声に出す」という作業は、「紙に書き出す」という作業に比べてハードルも低く、その分長く・多くこなす事が出来ます。

リスニングと会話を同時に行いますので、少々ハードですが、とても即効性があるので、あなたの会話力アップも相当の確立で見通せると思います。

シャドーイングでの注意点は

注意する点は、毎日そして長く続けることです。

せっかく会話力がついてきても、2-3日で止めてしまったり、試験前だけ行うだけだと、結局その後「話す感覚」が衰えてしまい、会話力は元に戻ってしまいます。

他のトレーニングにも言えることかもしれませんが、シャドーイングも毎日、そして長く続けることが英会話上達のカギになります。

ディクテーションがおすすめの場合

ディクテーションは英会話の中でも特にリスニング力が断然に上がるトレーニング方法ですが、細かい表現の違いにもすぐに気づけるようになるので、正確に相手の話す内容が理解できるようになると思います。

また、ディクテーションはTOEICや英検を受験する人にとって、リスニング力を上げる上でとてもオススメの勉強方法と言えます。

特にリスニング試験に於いて意外と多い、「なぜ聞き取れないんだろう」ということが無くなり、もっと重要なキーワード表現にも集中できます。

また、ディクテーションの聞き取りながら書き取りを同時に行う作業は、何十分も続けられません。

シャドーイングとは違って、はじめは一文ずつ、15秒ずつでも良いので、ムリなく続けていくことが大事です。

長文であっても、できるだけ文章ごとに区切って、一つ一つ進めていくことをおすすめします。

シャドーイングとディクテーションの違いまとめ

如何でしたか。シャドーイングとディクテーションはリスニングを行うという点では同じですが、上記のように期待される効果が違いますので「比較してどちらかを選ぶ」のではなく、意識して両方のトレーニングを行っていく方法がオススメです。

付けくわえておくと、英会話を中心に伸ばしたいという人は「シャドーイングを中心に」行い、今後英検やTOEICを受けたいと考えている人なら、ディクテーションを多めにこなしていく方法もおすすめですよ。^^